ソフィアさんちのチルちゃんと僕(14)~間逆の真実⑦~

「あっ!おじさんの育てた蝶みたいだよ。」

「ジャコウアゲハね。羽がすごくきれいだから生まれたてのようだわ。」

「チルちゃん、ソフィアさんまた出かけちゃったよ。お話の続き聞きた~い。」

「はい、はい、では再開ね。」

《日本では、明治の初めにヨーロッパの音楽が入ってきた時、ヨーロッパの音楽の平均律化が完成した直後であったため、日本の音楽関係者は、平均律(12等分平均律)が唯一無二の音律であると思い込んでしまったのである。ただそれだけのことである。

平均律(12等分平均律)と間違われた、全調移調可能な音律としてのヴェルクマイスター音律は、白鍵では5度(ドーソとかレーラなど)の幅が狭いために3度(ドーミやレーファなど)が純正に近く、黒鍵では純正5度になっているためピタゴラス音律に変わる。つまり、変化記号の少ない調では和声的な音楽になり、変化記号が増えるにしたがって旋律的な音楽に変わる、という特徴を持っている。》

「チルちゃん、また意味不明だよ~。」

「そうね。何かややこしそうだけれど、変化記号(調子記号のところについている♯や♭のこと)が少ない調では響きのきれいな音楽となり、変化記号が増えるに従い旋律的な音楽にかわるのが、ヴェルクマイスター音律なのよ。」

「ふうん」「ソフィアさんが、ハ長調の曲を弾いているとき教えてあげるからよく聞いてごらんなさい。まるで天使の歌のようよ。」

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