ソフィアさんちのチルちゃんと僕(5)~雑談とは④~
「わあ!オオムラサキちゃんも!」
「華やかなお友達ばかりね。では、みんな一緒に静かに聞いてね。」
《もちろん、その本に書かれてあることを、実際に自分のピアノで再現するためには、古典音律の理論を理解し、それらの調律調整ができる調律師の存在が不可欠でした。
調律師を捜すのに5~6年はかかりました。
その間にデジタルピアノで音律変換機能が付いた製品が出来、楽器社の方が、試弾用(無期限)にとその新製品を自宅に持ってきてくださったこともありました。
そのピアノでは音律での曲の変化はあまり感じませんでした。本から受けたイメージとデジタルピアノの音(響き)では全く印象が異なったのです。がっかりです。
そしてその後、長期間ドイツに調律留学されていたカワイ楽器中央研究所の調律師の方に紹介され、その方に理論の解説を受けながら、自宅のピアノをヴェルクマイスター音律に調律して頂くことができたのです。(ヨーロッパでは日本でいう古典音律は、平均律として調律されているとのことでした。)
グランドピアノの音は、共鳴の関係かデジタルでの音とは全く異なる響きでした。
私が手に入れたその書物は、その後長い間絶版となり、幻の名著として楽器社の方々が捜しまくっておられたのを覚えています。》
「ストップ!」「また意味不明だ!」「古典音律なんて聞いた事がない。ヴェルクマイスター音律って何か分からない!意味不明!意味不明だよ!!」